温泉旅行といえば、箱根、熱海、草津、道後などなど人気な観光地が日本には多くありますよね。自らを「おんせん県」と称するほど源泉に富んだ温泉地の一つが、大分県です。別府と並んで人気の温泉旅館が集まる湯布院の有名旅館「龍のひげ」に宿泊したときのリポートをお届けします。ここ、とてもオススメです。コロナが終息したら、ぜひ行ってみてください!
※本記事は2020年3月上旬頃の宿泊記です。新型コロナウイルス感染拡大を受けた措置など、現在の営業状況などは直接旅館にお問い合わせください。
プライベート空間を楽しめる隠れ家的旅館
今回宿泊した「龍のひげ」は、湯布院ICにほど近く、市街地から離れた静かな場所にあります。
車なら高速を降りてすぐ、福岡空港や大分空港からはJR由布院駅までバスも出ていて、駅からは無料送迎もあるのでアクセスは良好と言えます。
自然に囲まれた静かな空間の旅館では、全室に温泉が整備してありプライベート空間が堪能できます。他の宿泊客と顔を合わせる機会が最小限に抑えられているので、周りを気にせずにゆっくりと自分の時間を過ごすことができる点が特徴です。
一戸建ての離れ5棟と、フォレストヴィラ5棟の計10棟。1日10組限定の特別な空間です。
今回は羽田から大分空港に飛び、公共交通機関を使って旅館まで行きました。
大分空港を出ると、目の前にバスのりばがあるのですぐわかります。湯布院行きは3番のりば。乗車にはSuicaなどのICカードも使えますが、券売機で往復券をあらかじめ買っておけば割安で乗車できます。
料金は片道1550円、往復だと2600円。所要時間55分で、JR由布院駅前まで行ってくれます。
運行ダイヤはこんな感じ。チェックインは15時からなので、早く着くバスに乗る場合は湯布市内を散策するのもいいと思います。
夕食は18時半スタートですので、到着時間には注意しましょう。
2種類の客室
龍のひげには、全室一戸建ての「離れ 龍のひげ」とフォレストヴィラに5棟が並ぶ「別邸ゆむた」の2種類の客室タイプがあります。
それぞれ見ていきましょう。
離れ 龍のひげ
まずは離れタイプの客室。
プレミアムスイートの「こごみ」を筆頭に、「わらび」「つくし」「かえで」「くぬぎ」とそれぞれコンセプトの違った戸建てが用意されています。
こちらは洋風古民家をテーマにした「こごみ」の客室露天風呂。浴槽が2つあるのがわかります。
洋風なのでベッドですが、所々に和の要素も取り入れられているのがわかります。
化粧室もスタイリッシュです。
こちらは「つくし」の客室です。白を基調とした和モダンテイストがコンセプト。ベッドではなく布団の部屋です。
「かえで」の客室は都会的な和モダンのテイストに仕上がっています。
今回は和風古民家スタイルの「わらび」に宿泊しましたので、客室の雰囲気は後ほどご紹介します。
別邸ゆむた
続いて、フォレストヴィラに並ぶ5棟からなる「別邸ゆむた」です。
いずれも半露天風呂付きの客室になります。
こちらも部屋によってコンセプトが異なります。53~60㎡ですが離れと違ってデッキがありません。
また、食事処の母屋と別邸を行き来するには、46段の階段を上り下りする必要があります。足の不自由な方は別邸ではなく離れに宿泊することをオススメします。
実際に行ってみた
というわけで、実際に宿泊体験したときのリポートをお届けしていきます!
大分空港からバスに揺られること約1時間、JR由布院駅近くのバスターミナルに停車し、徒歩で由布院駅まで来てみました。着いたのは午後1時頃。無料送迎は午後3時に予約しているので、昼食をとってしばらく駅前を散策することに。
さすが温泉地、駅前に手湯がありました。
3月上旬で天気もあまりよくなく、コロナの感染拡大も少しずつ広がっていたこともあり、人はかなり少なかったです。
駅前には飲食店が多いので、昼食に困ることはありません。
せっかくなので、湯布院の代表的な観光地である「湯の坪街道」まで足を伸ばしました。人はやはり少ないです。
こちらもガラガラ。緊急事態宣言が出されるより前の3月上旬でこの様ですので、やはりコロナの影響が観光地に与えるダメージは大きいですね。
この状況を写真と一緒につぶやいたところ、自分史上もっとも多くのリツイートをいただきました。いわゆる「バズる」というやつです。
湯布院が大変なことに…😭
卸もやっているという某土産店では、食品土産が100~300円程度と軒並み半額以下で売られています。店主に話を聞くと、コロナの影響で外国人観光客が激減し、大量の返品在庫を賞味期限内になんとか売り切ろうとしているとのこと。観光地・湯の坪街道も閑散としていました pic.twitter.com/VMyCnwG3wH— ここしょー (@cocoshooo) March 10, 2020
お土産も買ってほどよい時間になったので駅に戻り、無料送迎バスで約5分ほど揺られて旅館に着きました。
雨が降っていたのですが、旅館の駐車場に着くなり、スタッフの方が3人がかりでお出迎えです。手際よく荷物を持ってくれ、旅館の傘を渡してくれました。
こちらが旅館の母屋の入り口。3月なので、まだ雪だるまのモニュメントでした。
古民家風の「離れ わらび」
記帳場で手続きを済ませると、スタッフの方が今回宿泊する離れ「わらび」まで案内してくれました。
わらびは母屋から一番近い場所にあるので、移動は楽でした。
母屋と離れをつなぐ道はコケがむしてライトアップされ、幻想的な空間となっています。
こちらが離れの入り口。一戸建てなので、立派な玄関です。
玄関には草履がありました。木目はちょっとすれていて、どこか柔らかい温かみを感じます。
玄関を上がって進むと、正面にデッキが見えます。
奥に進むと、ふかふかのソファがデッキに面して置かれていました。奥にはウォーターサーバーがあるのがうれしいところ。
デッキには椅子があり、新鮮な空気を思う存分味わうことができます。デッキでは2020年4月以降も喫煙可能なので、愛煙家には嬉しいですね(ちなみにここしょーは吸いません)。
近くに山が見える自然に囲まれた景色を楽しむことができます。
こちらは寝室。畳の上に敷布団というまさに旅館スタイル。ちゃんとマットレスも敷いてあるので、腰も痛くなりません。
真っ白なカバーがかけられたふっかふかの布団ってテンション上がりますよね^^
枕元には小さなテレビがありました。
リビング部分にもテレビがあります。
下にはストーブが格納されていました。山間部で朝晩は冷えるので、ありがたいです。
引き出しには浴衣や作務衣、靴下が入っていました。
冷蔵庫には有料の飲み物も入っています。
利用する際は自分で伝票に書き込んでチェックアウト時に精算です。
湯飲みや急須、コーヒーセットもあります。
夏場に虫が出たとき用に殺虫剤もありました。今回は3月だったので、虫は全くいませんでした。
ミニコンポもあります。
ポットには熱湯が入っています。ウォーターサーバーからも熱湯は取れるので、好きな方を使えます。
クローゼットは広めで、消臭剤もあります。
このソファ、ふかふかで湯上がりには寝ちゃいそうになりました。
お茶菓子は由布院銘菓「しっとり餡ぽてと」。
明治24年創業の老舗菓子店謹製、スィートポテトの生地の中に厳選した小豆の粒餡を閉じ込め焼き上げています。お土産にもぴったりなので、部屋で試食できてよかったです。
客室温泉は半露天
続いて、楽しみにしていた客室温泉を見ていきます。
こちらが洗面所。玄関から進んだ廊下部分とはドアで仕切られています。
アメニティも温泉旅館ぽくていいですね。
ちょっと残念だったのが、歯ブラシやコップ、くしなどのアメニティ。ここまでよかったのに、ここだけなぜかビジネスホテルレベルでした。
コップがプラスチックだと急に安っぽく感じてしまいます。せっかく設備は整っているので、ここは頑張ってほしいところです。
パナソニック製のドライヤー。このご時世ですから、消毒液もありました。
洗面所の奥にはさらにドアがあり、開けるとトイレがあります。清潔感がありウォシュレットも高性能でした。
洗面所と脱衣所はつながっています。
バスタオルとボディタオルが用意されています。旅館らしいカゴがあるのもいいですね。
こちらが客室の温泉です。シャワーが1基あり、温泉を独り占めできます。
デッキ部分の間にはガラス戸があり、開ければ半露天として、閉めれば内湯として楽しめます。夏場は虫が入りそうなので閉めていた方がいいかもしれないですね。
温泉は敷地内から湧き出ている自家源泉が2本(「弱酸性」と「弱アルカリ性」の単純温泉)あり、100%源泉掛け流しの2種類を混合した単純泉。源泉は51.0℃で、部屋にあるので24時間いつでも楽しむことができます。
こちらの旅館には大浴場はないので、他の宿泊客と顔を合わせずに部屋でゆっくり過ごしたい方向けです。
実際に入ってみると、ちょっと熱めのサラサラとしたお湯で、半露天にして冷たい空気に当たりながらつかる湯は最高でした!
夕食はコース料理を個室で
今回は1泊2食付きのプランで宿泊しました。夕食は、3種類あるコースから予約時に1つ選ぶシステムとなっています。
和牛と地鶏の炭火焼き、すき焼き、しゃぶしゃぶの中から1つ選びます。なお、選ぶコースによって値段が変わり、今回選んだ炭火焼きが最も安いです。
食事は母屋の個室でいただくことになるので、ここでも他の宿泊客と顔を合わせることはほぼありません。
食事中はドアも閉められ、しっかり個室になっています。
中は居酒屋のようになっていて、4人は座れます。
ドリンク1杯無料のプランでしたので、アルコールを含むメニューの中から選びます。
ここしょーは病み上がりなので「ゆふいんサイダー」を選びました。地ビールならぬ地サイダーです。すっきりした清涼感があって食欲が増します。
この日の献立はこちら。コース料理になっているので、写真と一緒に見ていきましょう。
先付「百合根の粉鰹まぶし揚げと茶碗蒸し」。茶色の玉が百合根を揚げたもの、下の白い部分はおそらく百合根をすったものだと思います。そのさらに下にうっすら見える黄色い層が、茶碗蒸しです。半透明のとろみのついた出汁と一緒にいただくと、とても優しい味がしてまさに先付にぴったりの独創的な一皿でコースがスタートします。
続いて向付「マスとカンパチの造り」。分厚めに切られた刺し身は歯ごたえがあり、甘みとうま味が凝縮した刺し身醤油が絡まると満足感が増大します。
3品目は前菜。左から順に「マグロのステーキとアボカドのピュレ」「椎茸とカボチャのゴマ酢掛け」「揚げ塩豆腐と黒ごまマスタード」「うるいとチーマディラーパの蕗みそ和え」「豊後鶏と松の実のソース」の5種盛り。
どれも見た目に楽しく、味も素材の良さをしっかり残しています。
そしてついにきました!メインの宮崎牛。豊後鶏と野菜も一式盛られています。
これを鉄板で焼いていきます。味はもちろん最高です。コースの〆に出てくるご飯と呉汁、香の物はこのタイミングで出してもらうことも可能です。どうするか聞かれたので、ご飯と一緒にいただきました。
肉はお腹いっぱいになれば残して朝食に出してもらうことも可能です。
脂っぽいメインに合わせ、酢の物「新タマネギのムースとイカのマリネを白菜と柚子で」が届きました。よく考えられていますね。酢の力で脂っぽかった口の中がとたんにさっぱりします。
焼き物「エビの黄味マスタード焼き」です。ぜいたくにがぶりつけちゃいます。
凌ぎ「冷やし稲庭うどん」でさらにさっぱりします。稲庭うどんって、秋田ですよね?なぜここで出てくるのかはよくわかりませんが、おいしかったです。
もうお腹いっぱいなのですが、まだ出てきます。温物「ローストビーフと温玉のカブ蒸し」。右側が温玉、左側がローストビーフで、上に乗っているは卵白を泡立てたメレンゲのようなものでした。ローストビーフという厚さではないですが、こちらも独創的な一皿でした。
とどめの揚げ物は、左から「ホタテと蓮根と春菊のさつま揚げ」「公魚とセリの天ぷら」「キンカンの天ぷら」でした。明石焼きに出てくるような温かい出汁につけていただきます。
ここで、スタッフの方が由布院のマップを持ってきてくれました。
手書きで観光名所がまとめられていて、とても重宝しました。翌日も少し観光できたので、マップを片手に散策できました。
最後は水菓子「カットフルーツと柚子ジュレ」「抹茶アイスの求肥包み」でした。
個室にはお茶もありますし、お冷やもスタッフの方から聞いてくれるので有料のドリンクを注文しなくても問題ありませんでした。
バースデープランでケーキもついてくる
+1000円くらいでつけられるバースデープランを予約すると、地元洋菓子店が作るバースデーケーキを部屋まで届けてくれます。
今回は誕生日が近いこともあり、せっかくなのでバースデープランで予約してみました。
夕食後、部屋でくつろいでいるとスタッフの方がトレーに載せて運んできてくれました。写真も撮ってくれたので、サプライズの演出を求めている方にはいいプランかもしれません。
プレートの文言は予約時に記入して注文することができます。イチゴがごろごろ乗った本格的なショートケーキでした。
が、夕食の量が多くてお腹いっぱいだったので、冷蔵庫でしばらく保管してからいただきました。
朝食は少量多種で体に優しく
夜も朝も部屋の温泉を堪能し、しっかり体を休めることができました。
翌日の朝食は、午前8時半スタートです。時間に合わせて母屋に行きました。
朝食のコンセプトは、少量多種でお腹に優しい食事。
大分県玖珠町のかけ干し米を土鍋たいた炊きたてのご飯、これは本当に絶品でした。お世辞なく、これまでの人生で一番おいしい白米でした。このご飯を食べにまた泊まりたいくらいです。
焼き鯖やなすの味噌煮、昆布のつくだ煮などご飯が進むおともたちが並んでいます。
ゆで卵や香の物たち。
前日の夕食で焼かずに残したメインは、さっぱりポン酢で調理して出してくれました。脂の乗りはもちろん昨日と同じなのですが、朝でも食べやすかったです。
スイーツはヨーグルトでした。
食後にコーヒーか紅茶を選べます。朝食も最高でした。白米の感動の余韻に浸りながらコーヒーをすすりました。
食事を終えて部屋に戻る途中、母屋にひな人形が飾られていました。季節に合わせたものが見られるのは旅の記念にもなっていいですね。
チェックアウトの午前11時まで部屋でゆっくりし、名残惜しいですが送迎バスに乗り込みました。
気になる費用は……
今回は1泊2日のバースデープランで「離れ わらび」に宿泊しました。
価格は、1人2万8000円、2人で計5万6000円でした。入湯税が別途1人150円かかります。
24時間温泉を堪能でき、素晴らしい食事を個室でフルサービスで楽しめるので、コスパは悪くないと思いました。
宿泊の注意点
こちらの宿はいくつか予約前に確認しておくべき事項がありますので、まとめてみます。
①連泊不可なので、1泊2日で予約すること
②小学生以下は宿泊不可
③客室以外の風呂(大浴場や貸し切り風呂)なし
④夕食、朝食の時間は原則変更不可(応相談)
1日10組限定のプライベートな空間がウリの旅館なので、予約前によく理解しておきましょう!
コンセプトがそれぞれ異なる部屋がそろっているので、今後は違う部屋にも宿泊してみたいと思いました。必ず再訪したいと思える旅館がまた一つ増えて嬉しい気持ちになりました!
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